Siteseeing tour  社会科見学 ハザマの仕事
Siteseeing tour  社会科見学 ハザマの仕事  


建設アウトサイダーのイワサキ (イラストレーター)&フジタ(ただの工事現場フリーク)がハザマの仕事場を訪問、見学記をお送りします。

おことわり:サブタイトルのsiteseeingは造語です

←社会科見学のしおりはクリックしてみてね
第 1 回  都心地下に高速道路と換気所をつくる
第 2 回  RCD工法でダムをつくる
第 3 回  文化財修復という仕事
第 4 回  春日市立白水小学校新築工事
第 5 回  徳島東環状線・東環状大橋
第 6 回  金沢こども医療福祉センター
第 7 回  東京建築第一支店営業推進部
第 8 回  弁慶トンネル
第 9 回  広神ダム
第10回  大阪セントバース教会
第11回  九州新幹線・緑川橋梁工事
第12回  紀文食品岡山総社工場新築工事
第13回  新若戸道路 沈埋トンネル部(3号函)製作工事
第14回  中性子遮蔽コンクリート
第15回  小浜市最終処分場新設工事
第16回  千葉市・中央雨水1号貯留幹線
第17回  東京メトロ副都心線 北参道駅
第18回  東北新幹線 青森車両基地
 




水族館♪

長崎・佐世保。
わ〜い♪、今回は水族館!
西海国立公園九十九島に増改築中の、
その名も、「海きらら」。





増築部分には「大水槽」と「イルカプール」がある


7月オープンだから♪
もうイルカとか、クラゲとか水槽に入っちゃって♪
工事のレポートなのに、そっちに目がいっちゃたら、困るな〜♪
内心、ウキウキ♪


で、4月25日、現場はこんなでした・・・。



大水槽工事の現場で土砂崩れが!・・・のわけない。
「擬岩(ぎがん)」の作製中。

擬岩?
水槽の中に必ずある、海藻がはえてる、あの、岩。
なんと、あれは、本物の岩を
ドーン、と置いてあるのではなくて、
こうしてつくっていたのでした。

この写真だと、ゴミ捨て場から拾ってきたものを
寄せ集めてるみたいに見えるけど、
これが水族館の陰の立役者なのだった。

■どげんかなる≒なんとかなる
が、その前に、
もっと面白いものがあったので、ご紹介します。
それは、ここで働く人たち。




見学を終えて――――
フジタ「今この状態で、間に合うもんなんですか・・・」
所長「ん?まあ、計画通りやけんね。自分はお金と対外的なことを心配するからですね、
あとは「たか」に任すけん、やっとけ、と」
たかさん「水族館は初めてだから、見当がつかないところもあるけど、だいたいのところを
計画して、あとは若い二人にやっとけ、と」

という「やっとけ」システムによって、工事は静かに進み、
若手も育つ、という素晴らしい仕事ぶりなのであった。
ちなみに所長が言う「計画」は元々がハード。でも、
たかさん「まあ、どげんかなる」

もっとも、所長は時々近くの展望台に行って、
ひとり、遠く海を眺めるらしい・・・(-_-;)。



■擬岩あっての水族館
さて、擬岩の製造工程はこんなふうになっている。

あの岩をただのハリボテだと思っていたあなた(はい、ワタクシです)。
せっかくの水族館取材なのに、岩かよ、と思ったあなた(はい、イワサキとワタクシです)。
すいませんでした。

どんな擬岩をデザインするか、
その水族館の思想が表現され、
展示にリアリティーを与える。

日本の名だたる水族館、テーマパークの擬岩を製作してきた会社、
鬼工房の木澤さん(プロダクトデザイナー、イケメン)が、
模型をもとに、現場で指示しながら構成していく。

擬岩つきの水槽模型

フジタ「どのくらいで、完成ですか?」
木澤「そう・・ですね・・。1か月後くらいですかね」
たかさん「ダメダメ。来月15日だからね」
木澤「 (*^_^*)」

みんな、がんばれぇ。


■大型アクリル板
今や水族館といえば、
巨大アクリル板。
この製造が可能になって、
ジンベイザメがゆうゆうと泳ぐ巨大水槽を楽しむことができるようになった。

「海きらら」でも、
8.3m×4.4m、厚さ27cm、重さ11.6tの大型アクリル板、
半ドーム型のアクリル板(下から魚を見ることができる)をはじめ、
7枚が使われている。



栃木の工場から福岡へ海上輸送された大型アクリル板は、
現場の入口まで大型トレーラー、
そこからトラックに積み替えられ、
最後は65tクレーン2台で持ち上げられ、
所定の位置に設置された。



■パコ!

大型アクリル板の搬入、設置は、
ある意味で、水族館施工のメインイベントとも言える。

特に現場に十分な広さがないため採用された、
クレーン2台による吊り上げは、
2人のオペレーターの息がぴったりと合わなければ、
「パコ!」(byたかさん)とうまく躯体にはまらない。



シーリングでびくともせんですよ

アクリル板を躯体に設置するのには、
特殊な接着材 マリンシーラント
(シールング材、コーキング材などと呼ばれる)が使われる。
アクリルは透明度が高く、水槽に適しているが、
施工後も伸び縮みをするという。

その性質に対応するため、
70年代半ばに開発された
アクリル専用のシーリング材もまた
現在の大型水槽を可能にした技術開発だった。
掌に収まるくらいの
シーリング材模型を見せていただいた。
シーリング材は半透明のゴムのようなもの。
とても高価なんだそうだ。


                シーリング材模型
所長「これをグリグリ回して遊びよったですけんね、びくともせんですよ」
え?
たかさん「所長が遊んどったのは、あっちの汚いほう」
所長「あ、そんなら、よかばい」
はあ・・・、会話の行方がさっぱり分からない。
このコンビはどこまでも、とばしてくれる。

■バックヤードは水族館の命綱

水族館の水は海水を取り込み、
それをろ過して循環させている。

海を再現すると言っても、
さまざまなバクテリアがいる海水をそのまま使うことはできない。
海への環境保護もある。
また、温度管理もきわめて重要だ。

だから、バックヤードには
クラクラするほどの配管、水槽などの設備がひしめいている。


大水槽地下の配管とろ過槽

屋外のイルカプールのろ過装置

このエリアは、
シールドで掘られた水路によって、
海とつながっている。


シールドマシン

■海きららのクラゲたち

バックヤードでは、
展示する生き物たちの準備も始まっていた。
「海きらら」のメインの一つ、クラゲだ。
パールシーの山崎さん(ジャニーズ系)に
案内、解説までしていただいた。


クラゲが写っていないが(透明なので)クラゲ飼育中の水槽

フジタ「もたくん、写真ヘタ!!」

ちょうちんではありません クラゲです

イワサキ「新しいカメラ買ったのにネ!」
クラゲの水槽は、
美しく、見飽きることがない。
ただ、ヘンな形のものが漂っているだけなのに。

長崎にゆかりのあるノーベル化学賞受賞の
下村脩氏が研究対象とした
オワンクラゲも展示される予定。
長崎の少年少女、必見よ。

クラゲたちは毎日シーモンキーを食べて、
オープンの日を待っている。
と、思う。

■うらやましい仕事

水族館が好きで、小樽から沖縄まで
10か所以上を観てきた。

大阪では、初めて見る巨大水槽のジンベイザメに
キャーキャー騒ぎすぎて、
見ず知らずの大阪のおっちゃんに、
「すごいやろ」と自慢された。
この水族館、おっちゃんのか?

南の島の水族館には年間パスポートで3日間通いつめた。

フロアガイドをしてくれた水族館の人から、
後日もっと詳しいレポートをもらったこともある(自慢)。

だから、「これは僕のつくった水族館」
と言える仕事は本当にうらやましい。

厳しい工期であっても、
必ずクリアするのがハザマの仕事だから、
私たちはお気楽に、オープンを楽しみにするばかりだ。

イルカプールも立派にできていた。


             順調に工事が進むイルカプール

ここまで見て、オープン後を見ないなんてありえない。
だから、
オープンしたら、
誰か、招待してね。(^.^)/~~~