■昼・堤体の上へ
2005年7月、現場では180人の人が働いていた。うち40〜50人は夜勤。ここは昼夜兼行。暑い夏のコンクリート打設は夜間に行われている。
その大所帯を取り仕切るのは、三浦健二所長。 |

現場の皆さん。前列右から3番目が三浦所長。 |
「今日のコンクリの打設は夜の8時からなんだよ。夕飯食べてからもう1回来る?」
のっけからの三浦所長の言葉に、管理人、イワサキ、フジタの間に無言の電波飛ぶ。『ってことは、夕飯の時、ビール飲めないってことね〜、トホホ』
でも、ビールは毎日飲めるが、ダムのコンクリート打設が見られるのは一生のうちで今夜だけかもしれない。
「はい、お願いします」仕事熱心! |
昼のうちに、堤体の上に立つ。3パートに分かれた堤体上では、それぞれコンクリート表面の清掃や 、重機の手入れ、型枠の移動などが行われている。
一番手前のパートでは、あちこちに設置されたスプリンクラーが、回転しながら勢いよく水まきをしている。ここを通り抜けないと、重機の近くに行けない。
「じゃあ、あとについてきてね!」
所長を先頭に、3Dのシャワーの中をくぐりぬける。すごい!全く濡れずにクリア!さすが所長だ!
堤体上は重機の展示場。コンクリートを運ぶ25トントラックの車輪は人間の背丈よりはるかに大きい。遠くから見ていると広大に思える堤体上がごく普通の現場に見えたり、重機が思いのほか大きかったり、遠近感がごちゃごちゃになる。
昨夜打ったコンクリートは水に洗われ、骨材が見えている。遠くからは砂のように見えるコンクリートの中に、かなり大きな骨材が入って入ることが分かる。

「じゃあ、戻るよ。またついてきて!」
もう一度3Dシャワーを通り抜けないと帰れない。でも所長がいるから大丈夫って…帰りはびしょぬれだった…、弘法も筆のあやまり、高名の木のぼり、ジーコの監督、なのかあ…。それともさっきはただのラッキー!だっただけ?
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■いまどき風その1・ハザマクライミングリフト

「できるだけ、山を切り崩さないように、工事に必要な設備を、将来はダムの底に沈んでしまう河床に集中させたので、コンクリートをどうやって高くなっていく堤体上に揚げるかが大きなテーマでした」
そこで採用されたのが、写真に見えるハザマクライミングリフト。名前の通り、ハザマで開発された。港湾などの運搬用クレーンを原型としている。
ダムで使われるのはぐる〜っと回るタワークレーンが多いが、これは、コンクリートをバケットで上げる→横滑りして堤体の上に移動させる→下で待ってる25トンダンプに下ろす、といういたってシンプルな働きながら、3分半で9m3を運べるという優れもの。25トンダンプそのものも、上げ下ろしできちゃうのだそうである。 |