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深さは54m、大深度
巨大な地下空間をどうやって掘るか?
東京・池袋に近い間・東洋・太平特定建設工事共同企業体(以下「ハザマJV」と略記)の要町作業所。ここでは今、首都高の環状線をつくる工事が進められている。この区間(図を参照)の高速道路はすべて地下トンネル。延長11kmに9つの換気所がつくられる。 |
ハザマJVの工区はトンネル道路が地上に出る直前の約190m。一般道路の下に高速道路と6階層分の換気所施設がつくられる。掘る深さ54m。
基準はないそうだが、50m超えたら、文句なしの大深度。しかも地上は交通量の多い山手通り。地下でどんなに頑張っていても、「いったいいつまで工事してんのかしら!」と思われる、悲しい大都市の道路工事…。
都市の地下にどうやって巨大な地下空間が掘られ、構造物がつくられるのか。
今回の学習テーマは「鋼製地中連続壁工法」。掘る前に土の中に仕切りのように壁をつくって、それから中を掘る土留め(土の圧力や動きをおさえること。土は生き物、なのだ)のやり方。長い名前だが、鋼製/地中/連続壁/工法と切ってみると、少し分かりやすい。
では、板坂惠所長、大住元豊工務課長にインタビュー。 |

【首都高速道路公団パンフレットより引用】 |
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■まずは土圧
「この長い名前の壁のつくり方からお願いします」
「土留壁のつくり方はいろいろあります。この現場だけでも、今回の主なテーマである「鋼製地中連続壁」のほかに鉄筋コンクリート製の地中連続壁(厚さ1.0m)、土とセメントを混ぜた柱の中に鋼材を入れて土留壁にする柱列式連続壁などが使われています。鋼製地中連続壁工法では長さ2.8m、幅1.5mの溝をミニカッター(通称)で掘り、そこに工場でつくられた鋼製の特殊な部材を入れ、コンクリートを打ち込みます。これを次々につなげていくわけです。この部材がすぐれもので、名前の由来でもあります」
「それはどこがすごいんですか?」
「部材が工場生産なので、ここのように鉄筋を組み立てるスペースを確保できない道路上の狭い現場に適していること、高い精度で壁を造成できること、何より、壁の性能がいい。これによって、他の工法よりも、壁を薄くでき(図)、工期を短縮し、コストも下げられます。また、当現場では道路の下の狭くて高さを制限された空間から地中連続壁をつくりましたが、これ、ドイツからの技術を元に日本独自で開発した工法なんですよ」
「狭い日本の地下を手際よく掘る方法の一つってことですね?」
「そうです」
「壁がないと地下を掘れないのですか」
「砂場で穴を掘ってしばらく放っておくと穴は崩れてアリ地獄の巣のようにすり鉢状の形になってしまいます。これと同じようなことが現実の工事でも言えるわけで、土を切り立った崖のように掘るとその面は安定しません。だから壁をつくり、その壁が倒れてこないように内側から突っ張りながら掘っていきます。掘る面(専門っぽく言うと法面、のりめんと読む)に45度くらいの角度をつけてすりばち状に掘れば、ほとんど何も使わず掘れますが、ものすごく広大な地上面が必要っていうことになっちゃう」
「東京の道路の下をすりばち状に掘られたら大変だ…」 |